初リアルで超緊張し、それと同じくらい期待感を寄せていたリーマンはただのデブおっさんだったのです・・・!
もう引き返せないです。
仕方がないので、ドトールに入店。
まだほとんど会話もしてないのに、なんだこのガッカリ感。帰りたい。
相手のスーツは何だかはち切れそうだ。
筋肉ではち切れそうなんじゃない。これは日々仕事おわりに酒ばっか飲んでたり、おつまみばっか食ってる怠惰が作り出した悪魔の化身パツパツなのだ(偏見)
今日の午前中のドキドキを返してほしい。。。
初リアルがこれって何だろう。。。
とぼーっとしていると、店員さんに「ご注文お決まり・・・ですか・・・?」と遠慮がちに聞かれて我に帰る19歳ずーやま。
何を頼んだかはもはや忘れたい過去のため覚えていない。
デブおっさんとおれはそれぞれお飲み物をもらって席についた。
店舗によって、全く違うのだと思うが、リアルしたドトールは隣の席の感覚がリアルに1メートルないように思えた。何が言いたいかというと、隣の人にここでの会話は筒抜けだということだ。
テーブルを隔てて(これは今でも覚えている。丸い小さいテーブルだった。)向かいあって座ると、青髭デブゴリラおっさんだということにまた新たに気がついてしまった。
残念だが青髭デブゴリラおっさんと話している暇はない。2時間は余裕で確保していたのだが、30分で切り上げて、家に帰って小出恵介を検索して癒されるしかない。と思っていた。
青髭デブゴリラおっさんは席につくと、時計を確認して、俺を見て、一言。
「ねーケツ使える?」
けつつかえる?ケツツカエル?KETSUTSUKAERU?
あまりに単刀直入すぎて、もはや切られたことにすら気がついていない昔の処刑人のように「ほへ?」という顔をしてしまった。
当時、童貞、処女の僕でしたが、性欲は一人前にありましたので、
「ケツ使える??」=「アナルセックスできる??」
という知識はあり、数秒後に理解が追いつきました。
例えば青髭デブゴリラチビおっさんと2人の個室だったらその発言もいいだろう。
いや良くないか。嫌だけど100歩譲っていい。
しかしながら、ここはカフェ。しかも隣との間隔は1メートル。
そして、俺が住んでいる最寄駅から少ししか離れていない。もしかしたらここで知り合いに会う可能性もある。大学生活が本格的に始める前に終わる可能性がある。
隣には大学生っぽい男の子がヘッドフォンをして何か勉強をしているようだった。それでもきっと絶対に今の発言は聞こえたはずだ。今でも嫌だが、当時は絶対に100%ゲイバレしたくないと思っていたので、余計に嫌だった。
どう受け答えして良いのかもわからず。そんな中でも青髭チビデブゴリラバカは話し続けて、「アナルしたことなかった?男とはしたことあんの?」と矢継ぎ早に話してくる。
ああ、どうか神様。。。この青髭チビデブゴリラバカアホおっさんを抹殺する方法を知私にお教えください。。。何なら、そこの大学生の方よ。その読んでいる教科書に社会的にも物理的にもこのバカを消す方法が書いてあるのではございませんか?
この空間の会話が早く終わってほしい。という思いとリアル初心者なこともあり、話題も変えることなく俺は無言を貫いてしまった。
すると、あのゴリラは「今度試してみる?笑」と小馬鹿にしたように言葉をかけてくる。
俺はなんかもう、この空間何。。。と半ばおかしくなったように
「そうっすね・・・ハハハ・・・」
と乾いた笑いを返した。何がそうっすねや!お前もお前やぞ!と今なら思うのだが、上手い切り返しも知らず、クリティカルヒット連発させられていたのだ。
相手もやっとこの気まずい空気を感じたようで、「あー俺仕事入っちゃって、また今度ゆっくり話そうや」とゴリラから言い始めた。正直ホッとした。俺から帰りたいと言えないと思っていたところだった。
そして、カフェの店外に出ると「この近くに行ってみたい焼肉屋あるんよ。今度行こうや!じゃーねー」とそそくさとゴリラは森に帰って行った。
「何だそれ!焼肉って!ゴリラなんだからどうせ手掴みで食べるんやろ!網でやけどしろ!!!」と心の中で思うのと同時に、何だか全身の気が抜けてその日はトボトボと家に帰りました。
あのゴリラ元気かな・・・。俺の5つ上だから今は40近いのか。。。
思い返してもとても変な人だったなと思う。気まずいから店に出たのに、そんな相手を焼肉なんかに誘おうと思っているのか。
初リアルは大大大失敗と言える。この初リアルが実は割とトラウマになり、年上のゲイは平気でセクハラしてくるという誤認をしばらくの期間続けていました。
それでも何とか重い腰を上げて、次にリアルした相手がのちに彼氏になることはまた別の話。