ゲイの端くれなら誰しも1度や2度・・とは言わず、何度もリアルを繰り返してきたのではないだろうか。
ノンケの方のために解説をしておくが、リアルとはネット上で知り合った人と、(リアルな世界で)会うことだ。
表現が合ってるか微妙だが、フランクなお見合いみたいなものだ。
現在、出会い系アプリも一般に広く親しまれて、基本的にはリアルまでの流れとしては
アプリでマッチング→メッセージのやり取り→リアル という感じだ。
ずーやまの初リアルは19歳の頃だった。
当時、スマホが普及し始め、若者はスマホを持っているが上の世代の人たちはまだガラケーという、スマホへの移行期だったかと思う。
そんな中で、アプリもそこまで発達しておらず。というか、自分はアプリの存在を知らずにいた。
地方から大学進学で都内に出てきたクチ(一年浪人したから19歳の時に上京)なので、右も左もわからず一人暮らしを始めた4月。
「せっかく東京に出てきたんだから、ゲイの人と会ってみたい!」と心を躍らせて出会いを求めていた。
しかしながら、当時アプリの存在を知らなかったこともあり、出会いのツールは掲示板だった。
実際のところ、現在もゲイ専用の掲示板は存在している。が、基本的に掲示板はヤリモクだと思った方がいい。し、顔がわからないのでとんでもない相手が「おまたせえ〜❤️」と現れることも覚悟しておいてほしい。
今思えば、なぜ掲示板なんか使って・・・と思うのだが当時はそれしか知らないのだから仕方がない。
4月のある春の暖かい日、大学もまだオリエンテーションなどで午前中だけというように忙しくもなく、春ののんびりとした気候、見知らぬ土地での生活、新しいことをしたい気持ちでいっぱいだった。
スマホを使って、ゲイの掲示板を見ていると、「友達募集」との書き込みがあった。
「都内に住んでいるリーマンです!身長175cm、75キロ、24歳。鍛えてます!お茶とかしたいです!」
鍛えてて少しお兄さんで、身長も割とあってめっちゃいいじゃないか。。。
どんな感じだろう。小出恵介みたいな可愛い顔だちだったら最高だなあ〜
なんて思いながら、メールを送る。
「19歳です!最近都内に引っ越してきました!知り合いいないし、ゲイの人と会ったことがないのでドキドキしますが、仲良くしてもらえると嬉しいです!」と。
するとすぐに、返信が来た。
「俺の顔はこんな感じです。今どこにいますか?」
添付ファイルを開くと、須藤元気のようなわりとオスっぽい感じ。でも年上感あってかっこいいのではないだろうか。
相手が顔画像を送ってきたので、これは送り返すのがマナーというものだろう。
そう思って、自分なりのイチオシの自撮り画像を送る。
すると、「めっちゃ可愛いね!今どこ?会おうよ!」との返事。
素敵なお兄さんに「可愛い」等と言われ、こっちもその気になってしまい、警戒感ゼロで「会ってみたいです!○○駅が最寄りです!」とうっかり、最寄りを伝えてしまう。
「じゃあその隣の××駅のドトールでお茶しない?」との返事。
カフェなら怪しいことになることもないし、これはいい!と思い早速、約束を取り付けて、駅に向かう。
ゲイと話すのは初めてだ(正確に初めてではないことを後々気がつくことになる。)
ドキドキしながら、駅の改札を出たところで、待つことにする。
そして不意に「どもーこんにちは〜」と声をかけられて振り返ると、そこには写真の画像よりもかなり太っていて、老けたおじさんが立っていた。
一瞬、「え?」と固まってしまい、別人が来た!と思った。
(初リアルで勝手に理想像を作り上げてしまっていたようで、今考えると別人が来たわけではなかった。確かに少し太っていたし、多分身長も170センチあったかどうか定かでないが。)
頭の中が一瞬でごちゃごちゃし始めた。
すると、固まっている俺をみて「緊張してる?」と言葉をかけてくる。
(ちげーよ!別人来たから混乱してんだよ!)と心の中で思いながらも小心者なので、相手にそれを言えるわけもなく。
「いやー今日暑いねーとりあえずカフェ入ろ!」
と言われるがままに、ドトールに入店するのだった。
(続きはまた明日。)